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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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専門家の直感

 規則性に乏しいどころか,もっと悪い環境もある。たとえばロビン・ホガースは,専門家が経験からまちがった教訓を引き出すような「悪質な」環境に言及している。ホガースが取り上げたのは,20世紀前半に医師の手本とされたルイス・トーマスである。トーマスは,腸チフスになりかかった患者をしばしば直感的に見分けることができた。そこで彼は自分の勘が当たっているか,患者の舌を触診して確かめようとした。しかし次の患者へ移るときに手を洗わなかったため,次々に腸チフス患者が発生する事態となる。かくして彼は,自分の臨床診断は絶対確実だという確信を持つに至った。なるほど彼の予測は正確だった——だがそれは,専門家の直感とはとうてい呼べない代物だった。

ダニエル・カーネマン 村井章子(訳) (2012). ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるのか(下) pp.17
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