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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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バランス感覚の果てに

 個人の名前は「書き易さ」と「読み易さ」という条件を満たしていることが望ましい上に,「好字」で,ほどほどの「顕字」力があることも求められる。個人の識別は番号でも可能であろうが,もっと印象に残る好感や連想をもたらすものの方が選択される。それは目立つ,他とは異なることへの傾斜でもあるが,極端に進めば,他に例がないという「珍奇さ」「奇矯さ」の実現になってしまう。名をつける側の意識に,できるだけ個性的な名前をつけたいという強い願望・意欲もあったから,文字を制限されたことによって文字そのもので個性を表現することが通常のやり方では実現しにくくなっていることで,制限のない読みの分野でその願望・意欲を満足させようとしたわけである。それで,現在の特殊な,掟破りともいうべき読みの出現となったのであろう。

佐藤 稔 (2007). 読みにくい名前はなぜ増えたか 吉川弘文館 pp.179-180
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