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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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流行病

 ロバート・スピッツァーがDSM-IIIの編集者を辞任したとき,アレン・フランセスという精神科医が彼の後釜に入った。フランセスも,できるだけ多くの新しい精神障害とそれに対応するチェックリストを受け入れるというスピッツァーの伝統を引き継いだ。DSM-IVは886ページに膨らんだ。
 ドクター・フランセスとは,彼がニューヨークからフロリダへ向かう途中に電話で話すことができた。彼は,編集委員会はいくつかのひどい誤りを犯したと感じているといった。
 「精神医学で誤った流行病をつくるのは非常に簡単だ。そして,現在,流行しているとされる3つの病気については,不注意にも私たちがその原因をつくってしまったのだ」
 「その3つとは?」
 「自閉症,注意欠陥障害,そして小児双極性障害だ」
 「どうしてそういうことになってしまったんですか?」
 「自閉症については主に,はるかに軽症なアスペルガー障害を加えてしまったことが原因だ。そのため,子どもの自閉症は,2千人にひとり以下から,100人にひとり以上と,発症率が跳ね上がってしまった。少し風変わりだったり,ほかの子と違うというだけで,多くの子どもがいきなり自閉症のラベルを貼られるようになってしまった」

ジョン・ロンソン 古川奈々子(訳) (2012). サイコパスを探せ!:「狂気」をめぐる冒険 朝日出版社 pp.301-302
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