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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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偉い

そもそも,職業に貴賎はない。「偉い仕事」というのは,つまりは給料が高いとか,能力や人気で選ばれた者だけが就けるとか,そういった「ポスト」を示すようだけど,その偉さは,たいていは賃金によって既にペイされているはずだ。つまり,そういう「偉そうな仕事」をしたら,その分の高級を得ているわけで,それでその偉さは差し引かれているはずなのだ。もし,賃金は一切いらない,というのなら本当に偉いと思うけれど,金をもらっているなら,それでいいじゃないですか,と僕は考えてしまう。
 たとえば,国を動かす凄い仕事をしている,といっても,それだけの金をもらっているのなら,それくらいしても当たり前では,と考える。
 下の者に命令ができる人が偉いわけでもない。命令をきく人たちは,その分の賃金を得ているから言うことをきくだけだし,また,命令できるのも,それは単にその場に限って通用するローカル・ルールがあるだけのことで,ようするに一種のゲームだと思えばわかりやすいだろう。鬼ごっこをするとき,鬼はべつに偉いわけではない。怖いから逃げているのでもない。そういうルールなのである。どちらの立場も,嫌ならいつでもゲームから降りることができるのだ。

森博嗣 (2013). 「やりがいのある仕事」という幻想 朝日新聞出版 pp.11-12
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