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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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保守派と革新派

ここで主役を2つのタイプに分類してみよう——コンサバティブ(保守派)とイノベーター(革新派)だ。コンサバティブは,ご想像のとおり役柄が変わるのを好まず,現状維持のために全力を尽くす。反対にイノベーターは,何度でも繰り返し役柄をつくり変える能力をもつ。とはいえ,将来に何が待ち受けているのか知る者はいないから,意識的に姿を変えることはない。つまり,たいていは自ら望んで変化するのではなく,そうしなければ舞台から消え去るしかないから,そうするのだ。未来が今とあまり変わらない場合は,コンサバティブが成功する。反対に予期せぬ変化が続く場合は,ひと握りの幸運なイノベーターが大成功をおさめるが,残りの多くはコンサバティブとともに姿を消すことになる。
 コンサバティブとイノベーターはまったく別のところにいるわけではない。イノベーターは常にコンサバティブの両親から生まれるし,イノベーターの子どもはやがて新しいやり方に慣れてしまって,自分たちはコンサバティブになろうと努める。未来がわからないとすれば,できるだけ現状に合わせることに力を注ごうとするものだからだ。だがもちろん,背景が突如として変わったときには,そうした努力そのものがコンサバティブを滅亡へ導きかねない。

クライブ・フィンレイソン 上原直子(訳) (2013). そして最後にヒトが残った 白楊社 pp.27-28
(Finlayson, C. (2009). The Humans Who Went Extinct: Why Neanderthals Died Out and We Survived. Oxford: Oxford University Press.)
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