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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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情報時代へ

繰り返すが,グラヴェット文化で見られる行動の新しさはどれも,たとえば,「神経系の突然変異によって特別に賢い人類が生まれたから」などという説明に頼らなくても理解できるものだ。彼らはすでに十分な能力を備えていたのであり,それは同時代に生きた多くの人類や,不運にも生き残ることができなかった集団にも言えることだ。イノベーションは,身体的な能力のおかげというよりも,新たな生活環境で直面した問題を解決することで生まれた。あなたが今,樹木のない,荒涼とした環境での生活を強いられたと想像してみてほしい。道に迷わないように自分の位置を確認したり,草食動物の大群を見つけたりするには,大海原を航海するときと同じくらいの困難があったに違いない。また季節がはっきりと分かれている環境では,長くて寒い冬の夜など,これまで知らなかった状況に対処する必要も出てきただろう。熱帯の霊長類から枝分かれした人類は,生物学的な理由から冬眠という選択肢をもっていなかった。だから寒い冬が定期的にやってくるのであれば,それを避けるために重い荷物を持たずに移動する術を身につける必要があったし,自分たちのいる土地の特徴をつかんだり,仲間に的確に意思を伝達する方法を見つけたりしなくてはならなかった。こうしてグラヴェット文化は情報時代に突入していったのである。

クライブ・フィンレイソン 上原直子(訳) (2013). そして最後にヒトが残った 白楊社 pp.222-223
(Finlayson, C. (2009). The Humans Who Went Extinct: Why Neanderthals Died Out and We Survived. Oxford: Oxford University Press.)
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