忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

偽物コーヒー

アークムの意見では,英国の食べ物の主な問題は,素材自体ではなく,英国の料理人の素材の扱い方だった。アークムは,英国人が食事はさっさと済ませ,「時間は無価値かのように酒に長時間」費やして無駄にする傾向を避難した。彼はそのことをフランスと比較し,フランスでは「いい食事」が「人生の大目的」だと言っている。アークムのようなコーヒー党には,コーヒーの淹れ方の基本も知らない人間のあいだで暮らすのは惨めなことだった。アークムの信ずるところでは,コーヒーは「体中に健康的な満足感,安らぎ,このうえない幸福感を漲らせる」。ところが英国のコーヒーは,彼を惨めな気持ちにするだけだった。英国でコーヒーとして通っているものは,苦い「色付き水」とほとんど変わらない,と彼は苦情を言った。それは,至る所の乾物屋で,燃やしたエンドウ豆とインゲン豆で作られた「偽物コーヒー」が売られていたことを考えると驚くには当たらない。

ビー・ウィルソン 高儀 進(訳) (2009). 食品偽装の歴史 白水社 pp.37-38
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]