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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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妥当性に欠ける検査

インターネット上に次のようなクイズが出回っている。ある女が母親の葬儀で見知らぬ男と出会う。女はなぜかその男に惹かれる。この男が自分の運命の人だと確信し,たちまち恋に落ちる。しかし電話番号は尋ねずじまいで,葬儀が終わったあとは探しようがない。数日後,女は自分の妹を殺す。いったい,なぜ?
 答える前に少し考えてみよう。どうやら,この簡単なクイズで,あなたがサイコパス的な思考の持ち主かどうかがわかるらしい。女が妹の命を奪う動機はなんだろう。嫉妬?その後,男と妹が同じベッドにいるのを目撃したのか。復讐?どちらもありそうな話だが,正解ではない。あなたがサイコパス的思考の持ち主だとしたら,次のように答えるはずだ。妹が死ねば,葬儀に再び男が現れるかもしれないから。
 あなたの頭に浮かんだのが,同じ答だったとしたら……うろたえないことだ。じつを言うと,わたしは嘘をついた。そう考えたからといって,もちろん,サイコパス的思考の持ち主というわけではない。この噂もネットに出回っている多くの情報と同じで,胡散臭いことこのうえない。たしかに女のやり口は一見サイコパス的で,その点については異論はない。冷酷で残忍で非情,自分のことしか考えていない短絡的な行動だ。ただし,ひとつ問題がある。標準的な臨床プロセスを踏んで適切に診断された正真正銘のサイコパス——レイプ犯,殺人犯,小児性愛者,武装強盗——に同じクイズをやらせてみたら,どんな結果が出たか,わかるだろうか。「妹が死ねば,もう一度葬儀ができるから」と答えた人間はひとりもいなかった。ほとんど全員が「恋愛関係のもつれ」が動機だと答えた。
 「おれは正気じゃないかもしれない」とテストを受けたサイコパスのひとりはコメントしている。「だけど,ばかじゃないぜ」

ケヴィン・ダットン 小林由香利(訳) (2013). サイコパス 秘められた能力 NHK出版 pp.63-64
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