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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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サイコパスの対人関係は

では,このようなサイコパスと被害者の関係と,本物の人間関係,つまり,2人の人間が出会い,共通項を見いだし,意気投合して築いていく誠実な関係とでは,何が違うのだろうか。
 第1に,被害者が真の姿だと思い込んでいるサイコパスのペルソナは,現実のものではない。それは,被害者をだますために慎重に積み重ねたうそのうえにつくられた“仮面”なのだ。どの仮面もサイコパスが被害者1人ひとりの心理的な欲求や期待に合わせてあつらえたもので,仮面の下にあるサイコパス本人のパーソナリティを反映するものではない。ただの便利なつくりものにすぎないのだ。
 第2に,サイコパスとの関係には,第三者の意見は反映されていない。サイコパスが一方的に被害者を選択し,接近していく。サイコパスの口車に乗せられていない第三者の目には,その様子がはっきり見えるだろう。だが,被害者は第三者の意見に耳を貸さず,むしろ,サイコパスが特別な存在なのだと説得しようとする。
 第3に,サイコパスとの関係は,偽物であるがゆえに長続きはしない。誠実な関係は,時間の経過とともに変化していく。恋愛は憎しみに変わり,結婚は離婚という結末に終わることもある。だが,当初,2人の関係は,少なくとも当時把握していた本物の情報に基づいて築かれたものだった。人は変わり,別々の道を歩むこともある。ところがサイコパスは,相手との関係を維持することに最小限のエネルギーしか費やそうとしない。もっとも,相手から何か飛び抜けてすばらしいものを奪えそうな場合はその限りではないが,そんなことはめったにない。したがって,関係に終止符が打たれると,相手は訳もわからないまま置き去りにされてしまう。
 第4に,サイコパスには下心,あるいは邪心があり,必ずどこかに利己的な動機が隠れているので,サイコパスとの関係は一方的に偏ったものになる。この虐待行為は,デートや仕事の取引で相手を利用することだけにとどまらない。サイコパスによる虐待行為には,捕食者の性質がうかがえる。相手に深刻な金銭的,身体的,精神的ダメージを与えることも少なくない。健全な本物の人間関係は,お互いの尊敬と信頼のうえに成り立ち,率直な意見を交わし,感情をさらけ出せる関係だ。サイコパスとの関係も,こうした尊敬や信頼に基づいているという被害者の思い込みが,サイコパスの成功に手をかしている。

ポール・バビアク&ロバート・D・ヘア 真喜志順子(訳) (2007). 社内の「知的確信犯」を探し出せ ファーストプレス pp.106-108
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