忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

公表

「うん,だから,犯人を捕まえたらね,ただ,犯行を立証するだけにして,動機とか,そういう感情面のことはきいても,公表しない方が良いと思う。じゃないと,社会のみんなに理解してもらえるという,一種のご褒美を与えるようなものでしょう?」
 「そういう考えもあるわね」小川は頷いた。「だけど,それじゃあ,裁判にもならないでしょう?あと,犯罪者であっても,人権はあるし,その人を更生させなきゃいけないわけだし,その責任が社会にあるわけ。となると,やっぱり事情を聞いて,理解してあげないと」
 「そうか,そうですね」真鍋は頷いた。「そういう優しさが,必要とされているんでしょうね。だけど,連続殺人犯とか,凶悪犯になると,更生させるわけじゃなくて,死刑とか無期懲役とかになるわけですから,やっぱり,犯人を満足させてしまってはいけないんじゃないですか。そうしないと,同じことをする人間があとから出てきますよね。ああすれば,自分のことをみんなに聞いてもらえるんだって考えて,真似をする人が現れます。ありましたよね,そういうの」

森博嗣 (2014). サイタ×サイタ 講談社 pp.63
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]