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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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混同

おおもとの原因は先に発見された証拠——知能検査の成績——にある。知能検査が測定手段だったせいで,認知歴史学者の役割とg計量学者の役割を混同してしまったのだ。原因を見つけて時代による思考習慣の変化が何を意味しているかを探りだす作業と,知能を測定する作業とは別物だ。認知歴史学とg計量学は,軸となる概念が違っていることに気づかなければならない。認知の歴史では,世代ごとに社会的要求がどのように変化してきたかが重要なのに対し,gは認知能力の個人差を測ることが重要である。g計量学者が歴史学者の方法論を軽んじるべきでないのと同じように,歴史学者も,誰がいちばん速くよく学べるかを測定するという行為をないがしろにしてはならないのだ。

ジェームズ・R・フリン 水田賢政(訳) (2015). なぜ人類のIQは上がり続けているのか?人種,性別,老化と知能指数 太田出版 pp.44-45
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