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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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道徳的直観と推論

道徳的直観はより古いシステムで,おそらく推論能力か言語能力よりまえに人類に備わった。そして言語が進化したあと,自分の行動を他者に説明し,正当化するために,道徳的推論が発達したのだろう。しかし進化のなかでは,人類社会を長く守ってきた道徳的直観を犠牲にしてまで,個々の行動の支配権をこの新しい能力にゆだねる必然性が見つからなかった。そこで結局どちらのシステムも存続することになった。道徳的直観のシステムは意識化で働きつづけ,迅速な判断を意識に送る。道徳的推論のシステムがそれを引き継いで,弁護士や広報担当者のように働き,受け入れた道徳を論理的に説明したり,自分や社会に対する行動を正当化したりするのだ。

ニコラス・ウェイド 依田卓巳(訳) (2011). 宗教を生み出す本能:進化論からみたヒトと信仰 NTT出版 pp.30
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