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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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自然淘汰と宗教

人類が言語と他人の噂話をする能力を発達させた時期,信仰はとりわけ有益になったかもしれない。小さな社会で悪い評判が立つのはよくない。何かの技術に秀でることさえ,妬みの原因になりうるし,妖術師とみなされて処刑されるかもしれない。神の明らかな望みに几帳面にしたがい,慎重に行動した人たちは,より多くの子孫を残せただろう。このため,自然淘汰は宗教行動に有利に働いた,とジョンソンは推察する。ジョンソンと心理学者のジェシー・バーリングは次のように書いている。“われわれは万人に共通する宗教の雛形を受け継いできた。というのも,初期の人類において,超自然界の代理者がいるという考えを捨てたり,道徳的なことがらにかかわる能力のなかった者は,同じ集団のメンバーによって早々に殺されるか,少なくとも子孫を残す可能性を減らしただろうからだ。他方,道徳を説く神がいる可能性に同意し,そのような代理者を恐れて生きた者は,生き延びてわれわれの祖先になった”。

ニコラス・ウェイド 依田卓巳(訳) (2011). 宗教を生み出す本能:進化論からみたヒトと信仰 NTT出版 pp.64-65
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