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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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知識人に対する考え

以上の事例や出所や意図は多様だが,いずれも反知性主義にかんして格好の仮説を提示している。つまり,知識人は見栄っぱりでうぬぼれが強く,軟弱で尊大であるらしく,不道徳で危険で,社会の破壊分子であるともみられている。この仮説にもとづけばふつうの人間の十人並みの判断力は,とくに実務面で成功している場合,学校で正式に得た知識と専門の識見をはるかに凌がないまでも,十分それにとって代わりうる。知識人が影響力を発揮しやすい場所——総合大学や単科大学——が芯から腐っているのも,驚くに値しない。とにかく情操教育や,古い宗教的,道徳的諸原理が,新しい思想や芸術に呼応する知性を形成しようとする教育よりも,信頼できる人生の指針ということになる。小学校教育においても,身体と情緒の発達に逆らって知識のみを重視しすぎる教育は,社会的退廃をひき起こす恐れがあると見なされている。

リチャード・ホフスタッター 田村哲夫(訳) (2003). アメリカの反知性主義 みすず書房 pp.16-17
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