忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

手抜き

リンゲルマンの巧みな実験とは,グランジュアン農業大学の学生20人に長さ5メートルの綱を引っ張らせ,綱の反対の端には歪みゲージを取付けておくというものだった。この装置によって,人の怠けたがる傾向が明確な数値で確認された。2人で同時に綱を引いたときには2人とも,その前にそれぞれが1人で綱を引いたときに比べ,平均93パーセントの力しか出さなかった。3人で引いたときにはこの数字は85パーセントに,4人のときには77パーセントに下がった。怠惰の指標となるこの数字はさらにその後も下がり続け,8人の集団になると,1人ひとりは平均すると最大能力の50パーセントしか発揮しなかった。現代の心理学者は,人の本質に潜むこのずるい傾向をリンゲルマン効果とよび,次のように説明している。集団で行う作業では,個人のしたことが全体の成果にそれほど強く影響しないため,個人として最善を尽くそうという意欲が失われる。さらに,個人の貢献が団体の努力のなかでは隠れてしまうため,人をあてにする気分が強まる。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.28
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]