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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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それ以上のものではない

結局のところ,学校で教育してくれるのは学業なのである。それと,結果的に教育されてしまうのが,集団の中でどう人間関係を築いていけば生きやすいか,という社会性だ。学校という場に多くの子供を集めて集団教育をしていることによって,確かに社会性は身につく。
 だが,それ以外の教育は学校ではしてくれない。
 なのに多くの人々は,学校がすべての教育をしてくれることを求めがちなのだ。
 「今の子供はいじめの限度を知らず,徹底的にいたぶりつくすからこわいんだ」
 「学校でどういう教育をしているんだ」
 「近頃は,子供が罪悪感なしに,ゲーム感覚で万引きをするんだってね」
 「教師の指導がなってないんだよ。教師の質が落ちちゃってて」
 「自分さえよきゃいい,なんて考える子が増えてるよ」
 「学校の校長はちゃんと反省してるのか」
 というようなことを言い出しかねないぐらいに,学校教育に過剰な期待をしている。
 学校って,そんなに素晴らしいところじゃないですよ,と私は言いたい。あれは,一通り勉強を教えてくれるところで,それ以上のものじゃありません。あなたの子供をいい成績にしてくれて,高学歴の輝ける人生を与えてくれるところなんかじゃないです。全員に同じ授業をしているんだから当然です。
 学校での教育にあまりにも大きな期待をしてしまう人というのは,実は,それ以外での教育を軽視しているのだと,私は思う。それって問題だぞ,というのが私の意見だ。

清水義範 (2003). 行儀よくしろ。 筑摩書房 pp.50-51
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