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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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優生学と戦争反対

今日,少なからぬ人が,優生学は,戦争に向けた富国強兵政策の1つであると考え,またその視座から優生学を批判する。そういう事実がまったくなかったわけではないが,しかし,この見方は今世紀の優生学のかなりの部分を逆に見えなくさせる。前述のシャルマイヤーをはじめ,多くの優生学者たちは,戦争を「逆淘汰」(生物学的に「優秀」な者が減り,「劣等」な者が逆に増えること)の1つとして真っ向から批判したのである。
 プレッツは,優生政策を実現するうえで,ヒトラーに大きな期待をよせ,ナチスに接近していったが,同時に,戦争回避と平和の維持をもヒトラーに懇願していたのである。

米本昌平・松原洋子・橳島次郎・市野川容孝 (2000). 優生学と人間社会:生命科学の世紀はどこへ向かうのか 講談社 pp. 75-76
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