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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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細分化された心

食物嫌悪の研究には,機能的な面でもうひとつ意外な発見があった——吐き気の条件づけは,どんなきっかけでも起こるというわけではない。どんな関連づけを学習するかは,その動物がもつ固有の進化史に左右されるのだ。たとえば,ネズミは視力が弱く,夜に餌をさがすときには味覚や嗅覚に頼っている。だから変な味の食物にはすぐに嫌悪を生じさせても,見た目がおかしな食物には嫌悪を発達させない。また別の研究チームは,うずらの学習パターンがまったく違うことを実証している。この鳥は,食物を味ではなく,鋭敏な視覚を頼りにさがす。よってウズラの嫌悪は,新しい食物の味よりも色に関連づけられやすい。つまり動物は,1つか2つの領域一般生の規則で働く脳をもっているのではなく,細分化された心をもっているのだ。

ダグラス・ケンリック 山形浩生・森本正史(訳) (2014). 野蛮な進化心理学 白揚社 pp. 123
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