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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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フォードとヒトラー

未来のドイツのリーダーが口にしたこの言葉は,多くの示唆に富んでいる。ヒトラーはフォードの価値観に触れるずっと以前から,反ユダヤ思想を全身で呼吸するようにして生きてきた。だからヒトラーがフォードに賞賛の気持ちを抱くようになったきっかけとしては,フォードのユダヤ人に対する偏見があったのはもちろんだが,それと同じくらい,彼が自動車メーカーとして先駆的な仕事をしてきたことも大きかった。政権掌握後,ヒトラーはただちに,かねてより構想していたフォルクスワーゲン(大衆車の意)の製造に乗り出す。車は別の階級に属する人々を隔てるのではなく,結びつける道具となることを実践で証明してみせた「フォードの天賦の才」を,ヒトラーは信じていたのだ。

アンドリュー・ナゴルスキ 北村京子(訳) (2014). ヒトラーランド:ナチの台頭を目撃した人々 作品社 pp.97
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