忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

天使や妖精から宇宙人や超能力へ

 意外に思うかもしれないが,近代の始まりといわれる時代は,中世キリスト教世界の崩壊とともに,異端とされてきた古代の叡智が復興し,オカルト思想が激動の時代とともに渦巻いていた。俗に「科学的」といわれるような機械論的自然観は,17世紀のニュートン力学の登場以降に確立されていくものである。


 ニュートンののち,18世紀にオカルト思想の考え方を生物学に活かそうとしていたのが,科学者にして芸術家のゲーテであった。たとえば,ゲーテの『ファウスト』は当時のオカルト思想の状況をうまく伝えている。


 20世紀には,精神分析学の権威ユングが,そのようなオカルト思想を人間の内面で起こる現象として捉え,集合的無意識で読み解こうと試みている。そう考えると,1950年代にユングがUFO現象に古きオカルト思想の蘇生を感じ取り,遺作となる『空飛ぶ円盤』を著したのも頷けるのである。


 神秘体験と呼ばれるものは,古くは「天使」「妖精」「人魚」などによって説明されたが,現代は「宇宙人」「超能力」「心霊現象」などにとってかわられているともいえるだろう。



前田亮一 (2016). 今を生き抜くための 70年代オカルト 光文社 pp.7


PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]