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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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インタラクティブでなければならない

 コンピューターに限ったわけではない。すべてのデバイスでインタラクションが必要だ。もしインタラクションしていないものがあれば,それは壊れていると見なされるだろう。ここ数年にわたって,私はデジタル時代に子どもが成長するとはどういうことかについて,いろいろな話を集めてきた。たとえば,私の友人の一人に5歳にもならない女の子がいた。最近の多くの家庭がそうであるように,テレビはなく,コンピューターのスクリーンしかなかった。あるとき誰かの家に行って,そこにあったテレビに彼女は興味を持った。その大きなスクリーンに近づいて,周囲を探索し,下側や背面まで見て回った。「マウスはどこに付いているの?」と尋ねた。それとインタラクションをする方法があるはずだ,というわけだ。もう一人の知り合いの息子は,2歳からコンピューターを使い始めた。ある日,母親と一緒に食料品店に行ったとき,母親が商品ラベルの表示を解読しようとじっとしているのを見て,息子は「クリックすればいいじゃない」と言った。シリアルの箱だってもちろんインタラクティブでなくてはならないのだ!別の若い友人はテーマパークで働いていた。ある日,その友人の写真を撮った小さな女の子が,その後でこう言った。「でもこれは本当のカメラじゃないのよ。後ろに写真が映らないもん」。またある友人の子どもはよちよち歩きで言葉も喋れない頃から父親のアイパッドを横取りして使いだした。彼女はまだ歩きだす前から,絵を描いたり複雑なアプリを簡単に使いこなしたりするようになった。ある日,父親が高解像度の画像を写真用の紙に印刷して,コーヒーテーブルの上に置いた。するとよちよち歩きのそれに近付いて,指を置くと拡げてその写真を大きくしようとしているのに彼は気づいた。彼女はその動作を何回か繰り返して上手くいかないと,困ったような顔をして,「パパ,こわれてるよ」と言った。そう,インタラクティブでないものは故障しているのだ。



ケヴィン・ケリー 服部 桂(訳) (2016). <インターネット>の次に来るもの:未来を決める12の法則 NHK出版 pp.295-296


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