忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

皮質の分け方

 皮質をどう分けるかという問題が初めて持ち上がったのは,19世紀のことだった。それまでは,皮質には脳を覆うという役割しかないと思われていたのだ(「cortex(皮質)」という言葉は,樹皮などの「皮」を意味するラテン語に由来する)。1819年のこと,ドイツの医師フランツ・ヨーゼフ・ガルが「臓器学」を提唱した。ガルが着目したのは,人体の器官はいずれも,独自の機能を持っているということあった。胃は食べ物を消化するためにあり,肺は呼吸をするためにある。だが,脳はひとつの器官と見なすには複雑すぎるし,頭の働きもひとつの機能というには複雑すぎる。そこでガルは,その両方をいくつかに分けることを提案した。とくに彼は皮質の重要性に気づいており,皮質をいくつかの領域に区分し,まとめて「心の諸器官」と呼んだ。
 後年,ガルの弟子であるヨハン・シュプルツハイムは「骨相学」という言葉を導入したが,今ではこちらのほうが,ガルが与えた臓器学という言葉よりも普及している。
セバスチャン・スン 青木薫(訳) (2015). コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか 草思社 pp. 43-44

PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]