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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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幻肢

 パレは,足や腕を切除された患者が,あたかも手足がまだ元の場所についているかのように痛みを訴えるという事例を初めて報告した人物となった。それから数世紀を経て,アメリカの医師サイラス・ウィア・ミッチェルが,南北戦争の兵士たちに起こった同じ現象を記述するために,「幻肢(phantom limb)」という言葉をひねり出した。彼は数多くの症例研究を行い,幻肢は例外的な現象ではなく,むしろそれが通例であることを明らかにした。しかしなぜこの現象は,それほど長いあいだ記述されないまま見過ごされていたのだろうか?おそらくパレが外科手術を革新する以前は,切断術を受けて生き延びる者はめったにおらず,生き延びた人たちの訴えは,単なる妄想として真面目に受け止めてもらえなかっのだろう。
セバスチャン・スン 青木薫(訳) (2015). コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか 草思社 pp. 71

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