必要がないのに病院に行く患者さんが多いことも,日本の病院が混む理由です。
何度も言うようですが,風邪やインフルエンザ,はしかや水疱瘡でも,たいていの人が病院に行きます。ちょっと具合が悪いといって,深夜に救急車を呼びます。
諸外国と比べて,日本の医療が安価であるのも理由の1つでしょう。医者が良心的で忙しくてもなんとか融通をつけて診療してくれるのも理由かもしれません。でも,そろそろこのような人の良心だけを資本にした医療も崩壊寸前です。このところ,病院で受け入れを断るところが出てきて問題になっています。これ以上は良心だけでは立ちゆかないのです。
お医者先生に「心配ない」と言ってもらわないと落ち着かない,そういう文化があります。しかし,無用な患者で外来が混めば,結局,その不利益は自分に返ってくるわけです。
岩田健太郎 (2009). 麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか 亜紀書房 p.209
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