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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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風邪に抗生剤を出す理由

 風邪をひいて病院やクリニックに行くと,よく抗生剤(抗生物質,抗菌薬ともいう)が処方されます。ところが,抗生剤は細菌に対して効果があっても,ウイルスには効きません。つまり,風邪の原因に対しては効果がないわけで,だから抗生剤は風邪には効かないのです。
 多くの医者はもちろんそのことを知っています。それでも医者が抗生剤を風邪の患者に出すのはなぜでしょうか。
 それは「患者さんが欲しがるから」です。
 多くの患者さんが「抗生剤は貰えませんか」と言います。「風邪に効く薬はないんですよ」と説明すると不満げな顔をし,「別の病院で貰いますから,いいです」と帰ってしまう人もいます。せっかく体調が悪いのをおしてがんばって病院にやってきて,長い間待って「効く薬はありません」では,がっかりです。せめて抗生剤でも出してもらわなければ苦労した甲斐がない,と思うのも無理のないことかもしれません。

岩田健太郎 (2009). 麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか 亜紀書房 pp.36-37
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