忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

動物磁気

 ヒステリーの歴史の中で忘れてはいけない人物が,ドイツの医学者メスメルです。1734年生まれのメスメルは「動物磁気」の概念を提唱し,それによって今日のヒステリーに相当する患者の治療を実践しました。 
 治療において,メスメルは患者の前に膝が触れあうくらいの距離で座りました。両手で患者の両方の親指を押し,患者の目をじっと見たのです。メスメルは患者の肩から腕に沿って手を動かし,それから患者の上腹部を指で押して長時間そこに手を置きました。多くの患者たちはこの「治療」によって奇妙な身体感覚を覚え,けいれんを起こして治癒したといいます。メスメルのもとに,患者が殺到しました。
 このようなメスメルの「動物磁気」による治療が催眠術の発見につながり,さらに後の時代のフロイトによる「精神分析」に発展しました。

岩波 明 (2011). どこからが心の病ですか? 筑摩書房 pp.110
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]