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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「見る」ことが中心

 しかし,想像が現実性をもち,現実が不安定であることは,シィーの人格形成に,非常に強い影響を及ぼした。
 彼は,いつも,何かを期待し,実際に行為するよりも,夢想したり,「見る」ことの方が多かったのである。彼には,何かもっとよいことが起こるにちがいないとか,何かがすべての問題を解決してくれるにちがいないとか,自分の人生は突然このように単純な,明瞭なものになるにちがいないとかの気持ちが,いつも残っていた。そして,彼はそれを「見」,そして持っていたのである。そして,彼が行なったことすべては,「一時的」なもので,現実に起きていることは,期待しているものが,自然に生じてくる当面の間のことであると思っていたのである。

A.R.ルリヤ 天野清(訳) 偉大な記憶力の物語:ある記憶術者の精神生活 岩波書店 pp.193
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