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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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言語の冗長性と多義性

 言語は時に冗長性を持ち(カウチとソファはほぼ同じものを意味する),不完全なこともある(微妙な匂いをきちんと表現できる言語はない)。申し分なく筋が通っているにもかかわらず,表現するのがひどく難しい考えがある。「Whom do you think that John left?(ジョンが別れたのは誰?)」(正しい答えは彼の最初の妻メアリーということにしよう)という文は文法的には正しいが,一見したところ同じに見える「Whom do you think that left Mary?(メアリーと別れたのは誰?)」(答えはジョン)は正しくない(この現象を説明しようと試みた言語学者が何人かいたものの,この非対称な現象がそもそもなぜ存在するのか説明するのは難しい。こうした例は数学やコンピュータ言語には見られない)。
 さて,この多義性は例外事項ではなく諸言語に普遍的に見受けられるようだ。「run」には「走り」や「ストッキングの伝線」,「野球の得点」などの意味が,「hit」には「ひっぱたく」や「ヒット曲」などの意味がある。もし私が「I’ll give you a ring tomorrow.」と言った場合,私は指輪をあげると言っているのだろうか,あるいは電話するよ,と言っているのか。短い単語も明確でない場合がある。ビル・クリントンのこんな有名な言葉がある。「それは『is』という語の意味次第だね」。さらに,個々の単語の意味は明快でも,文全体としてはそうではないこともある。「Put the book on the towel on the table」は,タオルの上にある本をテーブルの上に置く,そしてテーブルの上にある本をタオルの上に置く,の2通りの意味がある。

ゲアリー・マーカス 鍛原多恵子(訳) (2009). 脳はあり合わせの材料から生まれた:それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 早川書房 pp.142-143
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