忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

しらみ取り

 スチュアート朝の男性ファッションは,自分の髪の毛は短く刈り込んでおいて,メッシュ地に縫い込んだ人毛のかつら(ペリウィッグ)を後頭部にピンでとめるというものだった。かつらの人毛にシラミの卵がついていることが多く,孵化するとメッシュをくぐってかぶっている者の頭部へ這い出す。耳のうしろや耳の陰で血を腹いっぱい吸うためだ。
 アタマジラミは命を脅かしはしないが,ひどい不快感のもととなる。ひっかくことで皮膚炎や二次感染につながる。予防は困難だった。小麦粉を水で溶いてケーシングをメッシュ部分に固め,シラミが通り抜けるのを防ごうとした人たちもいた。ところが,練った小麦粉で乾燥したかちかちの帽子をかぶるのは,シラミがいるのと大差ない不快さではないか。
 そこで,定期的に1軒1軒回ってサービスを提供する,たいていは女性のシラミとりが,招じ入れられてかつらの掃除をすることになる。

トニー・ロビンソン&デイヴィッド・ウィルコック 日暮雅道&林啓恵(訳) (2007). 図説「最悪」の仕事の歴史 原書房 pp.182
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]