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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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流動性と結晶性

 1960年代に,心理学者のレイモンド・キャッテルは,「流動性」知能と「結晶性」知能の区別を導入した。流動性知能は,新規の問題を解く現在の能力に関係する。この能力は,レイヴンの行列のような課題を用いて測られることが多い。したがって,流動性知能はスピアマンのgとほぼ同じだ。どこまで成功しているかは議論の余地があるが,レイヴンの行列のようなテストは,種々の文化において使えるように特別に作られており,特定の教育への依存を最小にしようとしている。対照的に,多くの一般的なIQテストは,特定の文化における教育の産物であることが明白で,もっぱらそれだけからなる材料も用いている。語彙や算数のテストがその例だ。キャッテルはそういったものを「結晶性知能」,あるいは習得された知識のテストと呼んだ。
 よく似た文化的背景を持つ若者の標準的な例では,流動性知能のテストと結晶性知能のテストは強い相関を示すことがある。キャッテルの考えは,高い流動性知能を持った人は教育からより多くを学ぶ傾向があるだろうというものだ。もっとも,結晶性知能を測るとき,実際にはその人の今の状態を測っていない。ある人が知識を学んだとき,どのようであったかを測っている。いったん学んでしまえば,その知識は結晶化される。結晶化とは,いったん学んだ単語は残りの人生のあいだかなり安定で,いつでも使うことができるという意味だ。

ジョン・ダンカン 田淵健太(訳) (2011). 知性誕生:石器から宇宙船までを生み出した驚異のシステムの起源 早川書房 pp.72
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