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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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鳥っぽい名前

人類学者のブレンド・バーリンが,多くの研究者のお気に入りの被験者,つまり学部生(この場合はカリフォルニア大学バークレイ校の学生100人)を対象として行った実験がある。それは,魚と鳥の名前をひとつずつ組み合わせた50組のリストを学生たちに見せ,発音を耳で聞いて鳥の名だと思うほうを選ばせる,というものだ。魚と鳥の名は,ペルーの熱帯雨林に住むファンビサ族の話し言葉から無作為に選んだ。アメリカのごく普通の学生である被験者たちは,ファンビサ族については何も知らなかった。100人の学生が,50組の名前から鳥の名を選ぶと,回答数は5000個になる。答えが無作為であれば,正解する確率は,49.9〜50.1パーセントという,きわめて50パーセントに近い値が出るはずだ。
 だが,結果は違った。学生たちは58パーセントという高い確率で,鳥の名を識別できたのだ。比較のために,コイン投げについて考えてみよう。ご存じのとおり,どの回でも表が出る確率は50対50だ。2回投げるだけなら,その結果は読めないが,10回投げれば,表と裏の確率は50対50に近づく。そして5000回投げたら,表と裏はそれぞれ限りなく2500回に近づくはずだ。そうでなければ……表が58パーセントだったら,コインを調べてみるべきだろう。その数字は,何か別の力がはたらいていることを意味するからだ。
 この実験では,原因は学生たちにあった。彼らは名前の「鳥らしさ」,あるいは「魚らしさ」を直感することができたのだ。バークレイの学部生はたしかに優秀だが,それはだれにでも不思議なほど簡単にできることなのだ。

キャロル・キサク・ヨーン 三中信宏・野中香方子(訳) (2013). 自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか NTT出版 pp.155-156
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