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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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環世界センスの否定

分類学者の逆鱗に触れるには,同時代の分類学者の誰もがもつ環世界センスから導かれた分類が間違っていると否定すれば百発百中である。長期戦にもつれこませたいならば,分類学者が自分自身の種を分類するやり方は正しくないと言えばいい。広大な生命界の中で人間が占めるひときわ高い位置はヒトの持つ環世界センスから確実に導かれる。進化分類学者ならば誰もが地球は太陽の周りを回っていて,人は他の霊長類から進化してきたことを知っている。その一方で,彼らは,一般人と同じく心のなかではわれわれヒトは究極的には別格の存在であると知っている。にもかかわらず,科学者はあろうことか,ヘモグロビン研究によれば,ヒトは「ゴリラの変異型」だと言ってまわる。

キャロル・キサク・ヨーン 三中信宏・野中香方子(訳) (2013). 自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか NTT出版 pp.254-256
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