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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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直感との決別

最も重要な点は,分岐学者が分類学を根底から揺さぶり,人間のもつ感覚との最後のつながりを論理的に断ち切ったことにある。彼らによれば,分類学とは直感的な秩序感覚を持ったヒトの視点から自然を見るのではなく,自然そのものの視点すなわち何億年にも及ぶ真の進化史の視点に立って見ることである。分岐学者は人間がもつ環世界センスと分類学との最後のつながりを後腐れなく切ってしまった。その結果,分岐学派は分類学にある種の自由を保証した。それは,人間のもつ感覚とは完全に手を切って,望むならば,直感的にどんなに奇妙であろうともお構いなしに,ある群がたどった進化史を忠実にたどる自由である。

キャロル・キサク・ヨーン 三中信宏・野中香方子(訳) (2013). 自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか NTT出版 pp.310
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