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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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予測できたか

ソビエト帝国の崩壊は必然の結果のように思えるかもしれないが,それを予測できた政治学者は一握りで,彼らは嘲りの対象となっていた。政治学者がソ連の崩壊——おそらく20世紀後半において最も大きな出来事だろう——を予測できないとすれば,ほかに彼らがすべきことなどあるのだろうか。
 当時,カリフォルニア大学バークレー校で心理学と政治学を専門としていたフィリップ・テトロックは,同じような疑問を持っていた。そこで彼は前例のない大胆な実験に着手した。1987年,学界や政界の大勢の専門家から,国内政治,経済,国際関係というさまざまな項目についての予測を集めはじめたのである。
 その結果,政治の専門家はソ連の崩壊を予期できなかったことがわかった。体制の崩壊を予測し,その理由を理解するためには,さまざまな議論を1つにまとめる必要があったからだ。これらの議論は本質的に矛盾するものではなかったが,政治領域のなかで異なる立場にいる人々から出てくるため,1つのイデオロギー陣営に身を置く学者にとっては,両方の議論を受け入れることは難しかったのである。

ネイト・シルバー 川添節子(訳) (2013). シグナル&ノイズ:天才データアナリストの「予測学」 日経BP社 pp.56
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