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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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液体の窓

中世になると,「液体の窓」とも呼ばれた尿は,人体の秘密を真に解き明かす唯一の鍵だと信じられるようになっていた。中世の医師は,採取した尿を明るい日なたでじっくりと3回ながめ,その色が黄色か緑か赤か紫か,はたまた腹の中にとどまりすぎて黒くなっているかを見極めた。それから風や天候や惑星の配列も考慮に入れて,患者の健康状態を判断するのである。いちばん正しい結果が得られるのは,人間の膀胱の形をして高価な宝石で装飾されたフラスコに入れた尿だった。
 何だかんだ言っても,尿を調べることで実際に患者の体に触れること,あるいは見ることさえしないで診断が下せるというのは,医師にとって好都合だった。

ネイサン・ベロフスキー 伊藤はるみ(訳) (2014). 「最悪」の医療の歴史 原書房 pp.43
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