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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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恋の治療

恋の病を治療するには何がいちばんいいか。高名な医師たちは7世紀までこの問題について論争を続けていたが,脳の水分を十分保つことが肝要だという点では一致していた。必要な水分を与えるため,医師は恋の病を訴える男性に,愛する人の経血を含んだ布の匂いを嗅いだり,彼女の便を燃やした臭い煙を吸い込んだりさせた。
 その200年後,ペルシアのアル・ラーズィーが恋の病の進行を非常な精密さで書き記した。まず患者の目がうつろになる。次に舌にできものが生じ,それから体が縮こまる。病人はわけの分からないことを言ったり,水疱が吹き出したりする。末期になり,いよいよ命運尽きた患者はオオカミのような吠え声を発し,死んでしまう。

ネイサン・ベロフスキー 伊藤はるみ(訳) (2014). 「最悪」の医療の歴史 原書房 pp.47-48
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