忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ヴァイキングの階級制度

社会制度についていうと,ヴァイキングはスカンディナヴィア本土から外国に階級制を持ち込んだ。襲撃時に捕らえられた奴隷が最下級,次が自由人,首長が最上級という階層分けで構成されたものだ。ヴァイキングが広汎に進出した時代,ちょうどスカンディナヴィアに統一された大きな王国——これに対するものが,局地的な小さい政治組織で,その頂点にいる首長も“王”と称していた可能性がある——が現われ始めたので,外国に入植したヴァイキングたちも,最終的にはノルウェーの王たちや(のちに)デンマークの王たちと折り合いをつけなければならなかった。とはいうものの,入植者たちは,そもそもノルウェーで王座を狙っていた新興勢力から逃れるために移民となったという経緯もあって,アイスランドでもグリーンランドでも王制を採ることは一度もなく,その支配権は,複数の首長から成る軍閥の手中にとどまっていた。首長たちに所有が許されたのは,自分の船と,貴重で飼育しづらいウシ,さほど珍重されなかった飼育の楽なヒツジなど,ひと揃いの家畜だけだ。首長の従者,家来,賛同者としては,奴隷,自由労働者,小作人,独立した自由人の農夫などがいた。

ジャレド・ダイアモンド 楡井浩一(訳) (2005). 文明崩壊:滅亡と存続の命運を分けるもの(上巻) 草思社 pp.300-301
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]