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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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外科医も

もちろん,サイコパスが他人の感情に敏感だということ,そして言うまでもなく,この章の前半で触れたように,じつは感情を偽るのがうまいことも合わせると,彼らが人並み以上の説得力をもち,ごまかしの達人であることをいくらか説明できるかもしれない。しかし「冷たい」知覚的共感と「熱い」感情的共感を切り離すことには,ほかにもメリットがある——なかでも特筆すべきは感情を入り込ませてはいけない職業,たとえば医療関係の仕事だ。
 イギリス屈指のある神経外科医は,手術に臨む際の気持ちを次のように語った。
 「大きな手術の前は緊張するかって?いや,そんなことはない。どんなパフォーマンスも同じじゃないかな。気持ちを高めなきゃならない。今やるべきことに集中して,余計なことは考えないことだ。失敗は許されない。
 さっき,特殊部隊の話をしてくれただろう。じつを言うと,外科医の精神状態はこれからビルだか旅客機だかに突っ込もうっていう精鋭部隊の兵士にかなり似てるんじゃないかと思う。どちらも『仕事』のことをオペレーションと呼ぶ。どちらも『武装』してマスクをつける。そしてどちらも,どんなに長いこと経験と鍛錬を積んだって,最初に切り込むときの例の不確定要素ってやつに完璧に備えができているなんてことはありえない。あの刺激的な『危険な侵入』の瞬間,皮膚をめくったとたん……もう始まってるんだ。
 頭部を狙って銃撃する際の1ミリの誤差と,重要な2本の血管を傷つけないように進むときの1ミリの誤差と,重要2本の血管を傷つけないように進むときの1ミリの誤差の違いは何か。どちらの場合も,自分が生死を握っていて,死か栄光かの決断をくださなくてはならないってことだ。外科手術の場合はメスの刃先にかかっている」

ケヴィン・ダットン 小林由香利(訳) (2013). サイコパス 秘められた能力 NHK出版 pp.170-171
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