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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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時間志向テスト

ジンバルドの「時間志向テスト」では,時間的なバイアスを評価し,6つのカテゴリーに分類している。過去否定型,過去肯定型,現在宿命論型,現在快楽型,未来型,超越未来型である。彼のテストを使えば,あなたの志向がどのカテゴリーにどの程度入っているかがわかる。人は1つの時間枠だけを考えて過ごしているわけではないが,たいていの人は,この6つのカテゴリーのうち2つか3つが優位を占めている。現在快楽志向の人は今この瞬間を生きているので,ギャンブルや飲酒にはまったり,危険運転をしたりしやすい。一方,未来志向の人(今,少額のお金をもらうより,将来,多くのお金をもらえるのを待てるティーンエージャー)は,試験でよい成績をとる傾向があり,歯のフロスティングもきちんとすることが多い。
 ではどの時間志向が最も幸福に結びつきやすいのだろうか。過去否定型はあまり望ましいとは思えないが,過去を失ってしまったことを嘆くのではなく,過去を懐かしむという見方であれば,過去肯定型なら好ましいとジンバルドは考えている。未来志向の人は一般的に幸福度が高いと考える研究者が多いが,ジンバルドは違う意見だ。未来志向も度を過ぎると,仕事中毒,社会とのつながりの欠如,連帯意識の希薄化につながると警告している。彼の研究によれば,1つの志向タイプを目指すのではなく,バランスを取ることが大切だ。しかしこれは口で言うほど簡単ではない。ジンバルドの同僚の研究によれば,完全にバランスのとれた時間志向の持ち主は,調査の参加者の8パーセントにすぎなかった。彼は幸せになるにはこのバランスが必要だと信じているが,幸福度を調べる調査では,はるかに高い割合の人々が自分の生活に満足していると答えている。

クラウディア・ハモンド 度会圭子(訳) (2014). 脳の中の時間旅行:なぜ時間はワープするのか インターシフト pp.231-232
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