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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ほめるのは本来自然な気持ち

 ほめるという行為は,本来,自然な気持ちのあらわれです。「ほめる教育」におけるほめるという行為は,この点において異なります。自然な気持ちのあらわれなどではなく,ほかのねらいをもったきわめて意図的な行為です。
 相手の活動・行動・行為あるいはその結果に感心して,「じょうずだね」「おもしろいね」「すごい!」「よくがんばったね」などとほめるのは,自然な気持ちのあらわれです。本心からそう思い,そしてそれを言葉にしてあらわしているにすぎません。なにか別の意図やねらいがふくまれているわけではない。なにかのためにほめるのではなく,ほめたいからほめるのです。
 それにたいして,「ほめる教育」の場合には,ほめることそのものは本来の目的ではないのです。本来の目的は,ほめることを通して相手に影響をあたえることです。相手の心と行動に影響を与え,やる気を出させたり,自信をもたせたり,伸びていくようにする----。つまり,こちらが望んでいるような方向へと向かわせることがねらいなのです。そういう意図のもとにほめるわけです。いわば,下心のある行為です。本心からほめることとは,明確に区別される行為なのです。

伊藤 進 (2005). ほめるな 講談社 p.82-83.
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