忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

リスクとベネフィット

ひじきについての評価が日本と外国では大きく違うと,さきほど述べた。だが見方を変えて,がんという病気はそもそも長寿でなければかかりにくい病気である,と考えれば,両者の評価は決して矛盾しない。がんを心配するよりも,長寿を喜んだほうがよいのかもしれない。
 さらに,われわれ日本人は,コメを主食としながら世界屈指の長寿民族となっている。「10万人に1人」のリスクレベルの100倍以上のコメを毎日食べているにもかかわらず,である。日本食には,ヒ素のリスクを大きく上回る健康上のベネフィット(利益)があるのかもしれない。
 こうしてヒ素の例について考えていくと,日本人はそのリスクを高いレベルで受け入れているという見方もできる。基準値を多少,超えた,超えないで一喜一憂することが,いかに無意味であるかに気づかされる。あえてその国の食文化を壊してまで,一律の目標リスクレベルで基準値をつくって規制することは,つねに正しい選択とは限らないのである。英国やカナダではもともとひじきを食べないし,コメも主食ではない。だから禁止したところで,影響は小さいのだ。

村上道夫・永井孝志・小野恭子・岸本充生 (2014). 基準値のからくり:安全はこうして数字になった 講談社 pp.60-61
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]