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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ホルムアルデヒドの基準のつくり方

ホルムアルデヒドの基準値は,動物実験の結果から算出されている。この実験は,280匹のオスのラットを4つのグループに分け,ラットの体重1kg当たり,それぞれ0mg,1.2mg,15mg,82mgのホルムアルデヒドを飲み水に混ぜて与えて,2年間継続して観察したものである。
 この結果,82mg投与したグループにのみ,体重の減少や胃粘膜壁の異常などが観察されたことから,閾値は1日当たり15mg/kgと82mg/kgの間にあるものとみなし,低いほうの1日当たり15mg/kgまでなら毒性影響はないものと判定された。なお,このような毒性影響が見られないと判定されたレベル(この場合は1日当たり15mg/kg)のことを,専門用語では「No Observed Adverse Effect Level」(NOAEL)という。日本語では「無毒性量」と訳すことが多いが,正確には,毒性が「観察されなかった量」を意味する。いわば日本語は「誤訳」であり,この訳のためにNOAELを「ゼロリスクとなる量」と誤解している人も多い。

村上道夫・永井孝志・小野恭子・岸本充生 (2014). 基準値のからくり:安全はこうして数字になった 講談社 pp.83-84
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