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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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科学は中立ではない

現代では,科学的観察は白紙の状態で行うのではなく仮説を元に行う。そもそも何ものにも影響されずに自然を観察することなどほとんど不可能である。この点は,科学ではきわめて重要である。観察とか証拠というものは,理論の影響から自由ではない。
 我々は何らかの目的を持って事柄を検証している。心の中で何らかのアイデア(観念)を伴って事柄を検証しているのである。科学的観察は常に理論負荷的であると言われ,観察事実は理論を前提としていて,その理論の影響からは逃れられない。こんなことを勉強すると,大学でよく耳にした「心を真っ白にしてデータを見なさい」とか「科学は中立だ」などという教授たちのセリフに対して,ひと言文句でも言いたくなる。

津田敏秀 (2011). 医学と仮説:原因と結果の科学を考える 岩波書店 pp.29-30
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