忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

実行機能

計画立案,問題解決,柔軟な思考を可能にしてくれる実行機能は,言語を使った論理的思考や学業での成功に欠かせない。実行機能がよく発達している子どもは,目標を追求するときに,衝動的な反応を抑え込み,指示を念頭にとどめ,注意をコントロールできる。こういう子どもが,実行機能が未熟な同輩よりも,未就学段階で算数や言語,識字のテストで良い成績を収めるのは,驚くまでもない。
 実行機能が発達するのに歩調を合わせるように,こうしたスキルを可能にする脳の領域(おもに前頭皮質にある)も発達する。マイケル・ポズナーとメアリー・ロスバートが2006年に示したように,実行機能にかかわる神経回路は,発育中の子どものホットシステムにおいて,ストレスや脅威への反応を調整する,より原始的な脳構造と密接に相互接続している。これらの緊密な神経の相互接続があるため,脅威やストレスに長期的にさらされると,しっかりした実行機能が発達する妨げとなる。ホットシステムが主導権を握ると,クールシステムに支障が出て,子どももうまく機能できない。だが逆に,実行機能が順調に発達すると,ネガティブな情動を調整したり,ストレスを和らげたりしやすくなる。

ウォルター・ミシェル 柴田裕之(訳) (2015). マシュマロ・テスト:成功する子・しない子 早川書房 pp.121-122
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]