I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

半分メスに擬態

オーストラリアコウイカの場合,繁殖可能なメスがオス11匹に対し1匹しかいないため,争いは熾烈を極めるが,メスはやはり,色の鮮やかな大型のオスに近づいていく。メスがオスを選ぶと,カップルは産卵をするために集団の外れへと泳いでいく。すると,メスを獲得できなかったオスは,カップルに近づいていく。そしてここでも,瞬時に色を変えられる能力を利用する。たとえば小型のオスは,メスを守っているオスがほかのオスとの戦いに気を取られているすきに,鮮やかな熾烈な色でメスに求愛する。あるいは,岩のような色になって海底の模様に溶け込み,カップルにひそかににじり寄る。この場合,たいていそのオスは,メスのような姿をして近づいていく。そうすれば,カップルのオスに警戒されることなくそばに行けるからだ。こうして近づいたオスは,カップルのオスとメスの間に体を滑り込ませ,メスのすぐそばに陣取ると,鮮やかな色で求愛行動を始める。だがこのオスがそのような色彩をきらめかせるのは,体の一方の側,すなわちメスに向かい合っている側だけだ。ライバルのオスから見える側は,メスのような姿のままにしておくのである。

ダグラス・J・エムレン 山田美明(訳) (2015). 動物たちの武器:闘いは進化する エクスナレッジ pp.192

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