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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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首の代用

まず明らかなのは,鼻や耳はあくまで首の代用品であり,基本的には戦功の証拠は首のほうが望ましいということだろう。それは《事例2》の剣使役・中山修理介が鼻をもって戦功認定することを原則的に禁じていたことからもうかがえるし,《事例6》で森長可の首を手に入れた本多八蔵が森の眉間に弾痕があったため,しかたなく鼻を削いだことからもうかがえる。また,《事例9》で浅野長継からの添状では耳鼻のことに言及しても,肝心の秀吉書状では耳鼻についてはふれていないことや,《事例11》で伊達政宗が一揆の衆の鼻を南部家に届けるさいに首ではないことについて文句を言われることを警戒しているのも同様だろう。耳や鼻は,あくまで首を本陣に持参できないときの代用品だったのである。

清水隆志 (2015). 耳鼻削ぎの日本史 洋泉社 pp.115-116
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