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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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後付け

チャート分析は過去の値動きだけから将来を予測する。今まで見てきたように,ランダム性であれカオス性であれ,市場に予測不能な性質が備わっているのだとすれば,結局,どんなチャート分析も当たったり,外れたりするはずだ。だが,後から見るといかにも有効そうに見える。
 私がまだ銀行のトレーダーになりたてのころ,テクニカル分析のテキストを買って一生懸命勉強していたときに,ある先輩から次のように言われたことがある。「テクニカル分析にはさまざまなものがあるが,結局どれも生き残らない。唯一生き残っているのはエリオットウェーブだけだ。なぜエリオットウェーブが生き残っているかというと,後で何とでも説明できるからだ」と。エリオットウェーブが今も唯一生き残っているかどうかはともかく,基本はそのとおりだ。誰にでも明確で答えが出せるような単純明快なチャート分析で,明らかに有効そうなものは残念ながら存在しない。有効そうに見えるものは,エリオットウェーブのように解釈の余地があるものだ。後付けで見ると,当てはまっているように説明することができるのである。しかし,それはあくまでも後からみたときにだけそう見えるのであって,まだ確定していない本当の将来が予測できるということにはならない。

田渕直也 (2015). だからあなたは損をする 投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について ダイヤモンド社 pp.79-80
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