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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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こたえは「わからない」しかない

 「UFOの95%は見間違い」と説明すると,どうしてもUFOは宇宙人の乗り物だと固く信じている人は,よくこう聞いてくる。
 「じゃあ,その最後の5%の正体はいったい何なんですか。どう調べても正体が分からないのならば,それこ本当のUFO,宇宙人の乗り物ということじゃないですか。正体がわからない以上,宇宙人の乗り物ではないと否定することだってできないわけでしょう」
 筆者はこう問われた場合,次のように答えることにしている。
 「いいえ,残りの5%は,タヌキが化けた茶釜が空を飛んでいるんですよ。正体がわからない以上,タヌキが化けているのではないと否定することだってできないはずでしょう」
 タヌキが化けた「ぶんぶく茶釜」は,たしかに格好がUFOに似ている。
 ここに挙げた「宇宙人の乗り物」と「ぶんぶく茶釜」というUFOの正体についての2つの考え方の主張は,論理的に見れば,まったく同じ構造をしている。正体がわからないあるものについて,任意のXなるものを勝手に持ち出し,いずれも「正体がわからない以上,Xでないとも言えない」と主張しているにすぎないわけだ。一見,論理的に見えるが,この主張のしかたになんの信憑性もないことは,Xの中に好きなものを入れて自分で回答を作ってみればわかる。
 「最後の5%の正体は何なんですか」と尋ねられた場合の正しい答え方は,1つしかないだろう。それは,ただ「わからない」だ。最初に書いたようにUFOとは,定義そのものが「正体がわからない」という意味だ。だから,本当のUFOの正体を教えてくれと尋ねるのは「正体のわからないものの正体を教えてくれ」と頼んでいるのとまったく同じことだ。問い自体に意味がない。もし答えられたとしたら,それはもはやUFOではない。

皆神龍太郎 (2008). UFO学入門:伝説と真相 楽工社 Pp.46-47
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