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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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三項関係

対象について,他者と一緒にかかわるためには,「他者と自分と対象」の3つの間の関係(三項関係)の成立が必須です。この三項関係の鍵を握るのが,「共同注意(joint attention)」です。ある対象に対する注意を他者と共有することとされます。たとえば,お母さんと子どもがいて,お母さんが通りかかった犬を指さして,「ワンワンいるね」と言うと,子どももそちらを振り向き,「犬」という対象に同時に注意を向けるような場合があてはまります。
 二項関係から三項関係への進展は,社会性やコミュニケーションの発達にとって決定的に重要です。この進展がないと,自分と他者の認識が同じであるのか違うのかに気づくことができません。自分の世界に閉じたままともいえます。対象に同時に注意を払えるからこそ,会話がはずみますし,対象を取ってあげる援助や,別の対象に誘導する欺きも生まれるのです。このような三項関係と共同注意の成立は,生後9か月頃からできるようになります。トマセロはこれを「9か月革命」とよんでいます。

林 創 (2016). 子どもの社会的な心の発達:コミュニケーションのめばえと深まり 金子書房 pp. 23-24
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