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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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殺人妄想

アリゾナ州の学生がとくに暴力的ということでは?たぶんそれはない。デヴィッド・バスとジョッシュ・ダントリーがのちにテキサス大学で学生のサンプルを調べたところ,同じくらい多数の男性(79パーセント)と女性(58パーセント)が殺人妄想を抱いたことがあると認めていた。こうした数字は一見高そうだが,おそらく実際はその反対で,普通の人が殺人妄想を抱いている比率を過小に示していると思う。社会心理学者たちは,人々が発言をするときは,自分が最も社会的に望ましいと思っていることを言おうとするのを何度も確認してきた。また人々が,自分が文句なしのよい子ではないという証拠を選択的に忘れがちだということも示している。自慰に関するキンゼイの有名なレポートでもそうだったが,殺人妄想が実際に行われている比率は,人々が公式に認める水準よりもっと高いと想定しても構わないはずだ。
 私たちの多くが人を殺したいと思っているのはわかったが,ではいったい誰を殺したいと妄想しているのだろうか?男女ともに,殺したい相手は男が多い。事実,男性の殺人妄想の85パーセント,女性の65パーセントは男を殺すものだった。とはいえ,この部分はそんなに驚くものではない。実際の殺人統計を見ても,男性のほうがずっと殺人の被害者になりやすいからだ。

ダグラス・ケンリック 山形浩生・森本正史(訳) (2014). 野蛮な進化心理学 白揚社 pp. 48
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